お茶比べ
7月下旬から8月上旬にかけてお茶会を数回主宰しました。
その中で皆さんの反響が大きかったのは、同じ時間に茶摘みされたものを、同一人物が機械加工・機械仕上げしたものと、手作業で、手仕上げしたものの飲み比べでした。(茶葉は烏龍茶です。)
こうした比較は日本ではなかなか出来ないことなので、参加者は興味津々。
淹れる度に蓋の裏の香りを聞いてみたり、茶殻を見つめたり、蓋碗や茶杯の底の香りを確認したり…と探究心は尽きない様子。
ただ、意外だったのは、鑑定の勉強をされたことがある方が何人かいたにも関わらず、蓋碗の蓋の香り、蓋碗の底の香り茶葉から発する香り、茶湯から漂う香り、口に含んだ時の香り、茶葉や茶湯、そして茶器が冷えた後の香り・滋味が、それぞれ何を意味するのかが曖昧であったことです。

例えば、烏龍茶の香りの中で大切な要素の一つに「水香」です。
この水香、つまり香りや滋味が如何に茶湯の中に豊富に溶け込んでいるかということも、鑑定の大事なポイントとなります。
ところが残念なことに、それを数多く比較する機会がないので知識として理解は出来ていても、習得するまでには至らずにいることをお茶会で自覚した方が何人かいらっしゃるようでした。
習得できないということは知恵として体得できないということにもなります。とても残念ですね。
上記のようなポイント等を、私なりに参加者の皆さんにお話しましたが、今回はその方々から頂いた感想をご紹介してみます。読んでいただければ、私が細々ここでご説明するよりも二つの違いを想像していただけるかもしれません。
【参加者 S.Hさんから】
機械を使って作ったものと、手作業で作ったものとの飲み比べをしました。蓋碗に同時にお茶を淹れて、蓋の香りを交互にかいでいきます。一煎目、どちらもいい香り。特に機械を使ったほうは、華やかな
香りがしました。ところが煎が進むにつれて、機械のほうは香りがなくなっていったのです。手作業のほうは何煎淹れても、ほんのりいい香りが残っていました。口に含んだあとも違いは歴然。手作業のものは飲み込んだあとにも口から鼻にかけて香りがふわ〜っと広がり、まるで口の中が聞香杯になったみたい。機械のほうは、残念ながら何も残らない作り手は同じ人で、茶葉も同じ日に摘んだもの。製法の違いでこれだけの差がでるとは…。茶農家さんにとっては、機械を使ったほうが断然作業効率はいいのでしょう。でも、手作業のお茶も、なんとか残してほしいものです。これだけ美味しいんですから。
【参加者I.Hさんから】
一煎目、手仕様と機械仕様を比較してみると香りが華やかで味がしっかり出ているのは機械の方です。手摘みの方はまだ開ききっていない感じがあります。しかし、煎が進むごとに違いははっきりしてきます。3煎を過ぎたころからもう出切った感のある機械仕様と違い手仕様の方は煎の進むごとに香り味が豊かになってきます。機械仕様の方は味や香りが初めのころに凝縮して出してしまった感じでえぐみや過剰な芳香がありましたが、手仕様のものは自然に香りも味のじんわりと抽出してきている感じを受けました。

如何でしょうか?
人それぞれ感じ方が微妙に違って興味深いですよね。日本にも色々な中国茶が入って来てますので、ご店主によって色々なお話が聞けると思います。是非お茶屋さんでお話を聞いてみてくださいね。
皆さんも思い思いに色々な物を試飲し、五感をフルに使い、お茶を愉しみましょう。
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